日本国際連合協会 主催の外国人によるスピーチコンテストが11月13日(日)に、山口市にある山口県旧県会議事堂で開催されました。
今年で27回目を迎えたこの大会。書類審査を見事勝ち抜いた、8か国 11名の山口県在住の外国人が、由緒ある旧県会議事堂で6分間と言う限られた時間で「日本に来て感じ、考え、発見したこと」をテーマにスピーチしました。
AFS山口支部留学生のクレメンスも、野田学園高校の代表として出場しました。
今年の夏休みから、相手に伝わる表現を重点にスピーチ内容を構成し頑張りました。書類審査通過後は、本番のスピーチ発表に向けて、高校の担任と二人三脚で毎日2時間の練習、帰宅後の練習と一生懸命取り組みました。
当日は、クレメンス以外みなさん20代の出場者ばかりの中、7カ月と言う短い時間で習得した日本語と、日本に来て感じた事を、堂々と感じたままに発表しました。
優勝目指して日々練習していたので、結果は自分の満足行くものでは無かったかもしれませんが、見事特別賞に入賞し、結果を残す事が出来ました。そして、自分一人ではこの賞を得られなかった。と、たくさんの方の助けによって頂いた賞だと、感謝を感じたスピーチコンテストだったようです。
日本に来て感じた事を素直に書いています。こちらに、スピーチ内容全文を掲載します。長文ですがお時間のある方は是非ご覧頂きたいと思います。
私もこのスピーチ内容を聞いて、気付かされました。日本とデンマークの違いを、16歳の高校生の視点で書いています。
(クレメンスのホストマザーより)
「こんにちは、クレメンスです」
7カ月前、私はこれしか話す事が出来ませんでした。
この7カ月の間で、私の日本語は少しずつ良くなり、たくさんの言葉を覚え、いろいろな日本語をたくさん身に付ける事が出来ています。
では、あなたはどんな人ですか?と聞かれたら、今はこう答えます。
「私はクレメンスです。16歳です。デンマークの小さな町から来ました。でも、ドイツで生まれ2歳の時、デンマークに行きました。今は日本に留学しています。7カ月前、日本に来ました」
日本に来たばかりの頃よりも、伝えられる事が増えました。
私が日本に来た理由は、日本の文化を経験したいと思ったからです。
1597年フランシス・ベーコンは、「知識は力なり」と言いました。本やインターネットで得られる知識はたくさんあります。しかし、経験から得られる知識はとても貴重です。
この7カ月の間に、たくさんの事を経験しました。ホームステイでの日本の家庭生活、学校での高校生としての生活。毎日の生活を通して、日本とデンマークの違いをいろいろと発見しています。
日本に来て最初にびっくりした事はトイレです。日本のトイレには、ボタンがたくさんあって、流すボタンが分からず、ウォッシュレットが出て来たり、音楽が流れたりしてパニックに陥りました。
また、家でフルーツを食べた時、ぶどうや梨の皮をむいて食べているのにも驚きました。
そして、日本では高校生の自分は子供と思われているところも、デンマークとは違います。デンマークでは高校生の自分は、もう少し大人として見られます。
自立する為にアルバイトもします。日本で使うお小遣いは、デンマークでアルバイトをして貯めました。日本の高校生の自分には、ルールがたくさんあって大変です。
この7カ月の生活で、日本の文化を経験して私は柔軟になったと思います。デンマークで当たり前の事が、日本では当たり前でない事が分かりました。自分が習って来た事が、すべて正しい訳ではないと言う事を感じました。
これは、国を超えてお互いを理解する為に、とても大切な事だと思いました。そして、お互いのことを知る為には、言葉を学び、コミュニケーションをとる事が大切です。
私は日本語を身に付ける為に、たくさん話をする事が必要だと思いました。ホストファミリーや学校の友達、先生と話をする事で、世界中の人たちと理解し合えると思いました。
今の私の目標は、デンマークに帰った後、留学したいと思っている学生の準備を手伝ったり、デンマークに留学している学生を助けたりする事です。そして、留学を多くの人に勧めたいと思います。
留学経験を通して、他の国の文化や人の事を理解してあげられる人が増えて欲しいからです。それが世界平和にも繋がると信じています。
もっといろんな国の文化を体験し、他の国の人同士の関わりや結びつきを強められるよう、みんなで頑張って行きましょう。
Clemens Merker
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