精神科医
(AFS22期生 1975年~1976年)
筑波大学大学院博士課程修了(医学博士)。British Council奨学生として、ロンドン大学とTavistock Clinicで家族療法を学ぶ。
専門は思春期精神医学家族療法、メディアを活用した相談活動。
東京学芸大学に19年奉職した後、2011年に広尾に田村毅研究室を開業。
—AFSでの体験はその後のキャリアでどのように生きていますか?
留学前から医者になりたいという思いは何となく持っていて、留学中にホストマザーのホームドクターの精神科医を紹介してもらう機会がありました。日本で精神科というと、精神病院に入れられるというようなネガティブなイメージがありますが、アメリカでは良いイメージでしたので、アメリカで生活する中で精神科医になろうという気持ちが生まれました。
精神科医にも様々な専門分野がありますが、私の専門は「思春期」と「家族」です。私自身が日本の家族とアメリカのホストファミリーという2つの家族体験があり、自分の中で相対化することができたことで、家族というものにとても興味を持ちました。アメリカでの体験が、私の職業選択や興味・関心の原点になっています。
AFS体験がその後のキャリアにどのように生きているか (動画メッセージ)
—グローバルに活躍するために必要な素質とは何だと思いますか?
高校生というのは、子供から抜け出して大人になる端境期です。子供と大人は何が違うかというと、ひとりで生きていける力があるかどうかです。そこで必要になるのがコミュニケーションですが、コミュニケーションには相手に自分をあわせる力と、相手に対して自分を押し出していく力の2つがあります。欧米などでは自己主張をして自分を押し出す力が強いですが、周りにあわせていく力は弱いので、両方併せるとちょうどいいですよね。この力は日本の中で身に着けるのはなかなか難しいですが、海外で国際的に交流していく中では自然と身に付けられると思います。
—AFSならではの魅力は何だと思いますか?
サポートがしっかりしていたと思います。留学前に日本でオリエンテーションがあり、海外でそれぞれの家庭に入る前にさらにオリエンテーションがあり、滞在中もホストファミリーだけではなくて地域コミュニティ全体から支えられていて、始めから終わりまでシステムとしてうまく支えられているなと感じました。AFSは営利目的でもありませんし、文科省にもバックアップされていて(※2010年まで文部科学省所管団体。現在は公益財団法人)、安心できる良い団体というイメージがあります。
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