東京大学 教養学部 教授
(AFS22期生 1975年~1976年)
アメリカ政治外交を専門として、長年成蹊大学法学部の教授を務めた後、2012年4月より東京大学教養学部にて教鞭をとる。
東京大学卒業、イェール大学でPH.D.を取得
—AFSでの体験はその後のキャリアでどのように生きていますか?
全部生きていますね。直截的なのは、アメリカ史を専門とし、アメリカ研究をやっていることです。もちろん他の体験も影響していると思いますが、やはりAFSの経験が、私のアメリカ理解の芯のところに座っていると思います。17~18歳という、未熟で柔軟性がある年頃に色々な地域の方と出会うと、影響を受けないわけはないですよね。
あと、職業柄なのでしょうが、日本でAFS帰国生とお会いすることがあります。中にはアメリカ研究の方もいらっしゃいますし、留学した当時は知らなかったけれど、大学で「実はAFS生だった」という方にお会いすることもあります。その方たちを見ても、例えば「留学中に自分はアジアのことを知らないと認識したからアジア研究に進んだ」など、それぞれの形で根っこのところにAFS体験を持っていると思います。私の場合は、それがとても全面的なもので、AFSの1年というのは10年分ぐらいの重さがあるのではないかと思っています。
AFS体験は後のキャリアにどう生きているか (動画メッセージ)
—グローバルに活躍するために必要な素質とは何だと思いますか?
ひとつはやはり好奇心だと思います。自分のことだけではなくて、外に対して好奇心を持つということ。ただ、好奇心というのは余裕がないと持てないので、言うのは簡単ですが、なかなか難しいですね。もうひとつは、自分が今まで接してこなかったものに対する理解や寛容さ。すぐに判断してしまうのではなくて、きちんと理解してから判断したり、自分とは関係のないものだと切り捨てないこと。この2つは必要だと思いますね。
特にグローバルに活躍する、あるいはリーダーになるためには、引っ張るだけではなくて、人々を理解する必要があります。その意味でAFSが良いのは、留学先の文化を学ぶだけではなくて、留学先の国という舞台で色々な人たちと触れ合うことができる場だということです。
—AFSならではの魅力は何だと思いますか?
AFS生としての共同体意識があると思います。それは日本の中にもありますし、様々な国から来た同世代のAFS生の間にもあります。そしてAFSは色々な意味で非常に手厚かったと思います。最後にバスツアーがあり、アメリカ全土のAFS生がワシントンに集結し、そこでまた新たな出会いがありました。私は本当にシャイな生徒でしたが、AFSには嫌でも楽しませるといったところがあって、とても感謝しています。
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