帰国生インタビュー 大武正樹さん
人から言われて調べるのではなく、自分の中で疑問に思ったこと―私は「疑問の芽」と呼んでいるのですが、それに対して自分で水をあげて、土を変えて、ケアをしていると、花が咲きます。花が咲くというのは、自分の中できちんと理解して使える状態になるということですね。
人から言われて調べるのではなく、自分の中で疑問に思ったこと―私は「疑問の芽」と呼んでいるのですが、それに対して自分で水をあげて、土を変えて、ケアをしていると、花が咲きます。花が咲くというのは、自分の中できちんと理解して使える状態になるということですね。
AFSでアメリカに行っていなければ、全く違う仕事を選んでいたでしょうし、全く違う人生を歩んでいたと思います。留学中に他の国の人たちと交流したり、ホストファミリーと1年間過ごしたりする中で、国際的な仕事に就きたいと思うようになりました。
各国の社会で指導的立場に就いている人の中に、AFSの帰国生がかなりたくさんいます。私は記者としてワシントンに計8年駐在して働きましたが、AFSの帰国生のネットワークの大きさを感じる場面が多々ありました。
自分に一番適している職業や分野は何かと考えたときに、このようにAFSで経験したことを外交の世界で生かせればと思いました。10代の多感な時期は吸収するものも多く、自分自身への影響力も大きかったですね。
欧米などでは自己主張をして自分を押し出す力が強いですが、周りにあわせていく力は弱いので、両方併せるとちょうどいいですよね。この力は日本の中で身に着けるのはなかなか難しいですが、海外で国際的に交流していく中では自然と身に付けられると思います。
私の人生のターニングポイントを5、6つ話すのですが、いつも1つ目のポイントとしてAFSのことを話します。すると、学生や先生方が「私もAFSで留学しました」と声をかけてくださることがあり、繋がっているなと実感します。
アメリカと日本、その間には文化、言語、自然、教育、国民性など異なるものが数え切れないほどあります。そのような違いというものを友人やホストファミリーとともに生活することで自分の目で見て、体験し、学ぶことができました。
日本にいるとあまりわからないかもしれませんが、例えば私が一番長く勤務したロンドンでは、その会社で働いている人の国籍が70カ国にものぼりました。本当に色々なバックグラウンドの人がいる中で、普通に働いてこられたのは、AFSでの経験が大きいと思います。
AFS体験が、これまでの私の人生の選択をつくってきました。AFSでは「Lifetime Experience」といいますが、本当に生涯を通じて影響を与えてきた1年だったと思います。