帰国生インタビュー 渡辺りえさん
現在は、メキシコ最南端チアパス州のマヤ系ツォツィル族の村・シナカンタンで生活しながら、先住民族音楽グループ「サク・ツェヴル」で歌とバイオリンを担当しています。
現在は、メキシコ最南端チアパス州のマヤ系ツォツィル族の村・シナカンタンで生活しながら、先住民族音楽グループ「サク・ツェヴル」で歌とバイオリンを担当しています。
AFS留学の良いところは、周りの大人たちからのケアがきちんとあることです。ホストファミリーには言いにくいことを気軽に相談できるボランティアの方がいたり、各国の留学生と話し合う場が3ヵ月おきぐらいに設けられていたり。
世界中の様々な地点にいる人たちと語り合うことを通じてこの視点を持てるということは、AFSプログラムのかけがえのない魅力だと思っています。
AFSの留学生としてケベックに住むことは、日本人である自分とケベックの人たちという関係だけではなく、世界各国から来ているAFSの留学生と関係を築くことでもありました。
なるべく若くて吸収力があるうちに、自分と異なるバックグラウンドをもった人と、数多く接することが大事だと思います。日本の中でも色々な考え方の人と話をすると色々なアイデアが生まれ、新しい解決策が出てきますが、それは国際的な立場のメンバーが集まればなおさらです。
人から言われて調べるのではなく、自分の中で疑問に思ったこと―私は「疑問の芽」と呼んでいるのですが、それに対して自分で水をあげて、土を変えて、ケアをしていると、花が咲きます。花が咲くというのは、自分の中できちんと理解して使える状態になるということですね。
AFSでアメリカに行っていなければ、全く違う仕事を選んでいたでしょうし、全く違う人生を歩んでいたと思います。留学中に他の国の人たちと交流したり、ホストファミリーと1年間過ごしたりする中で、国際的な仕事に就きたいと思うようになりました。
各国の社会で指導的立場に就いている人の中に、AFSの帰国生がかなりたくさんいます。私は記者としてワシントンに計8年駐在して働きましたが、AFSの帰国生のネットワークの大きさを感じる場面が多々ありました。
自分に一番適している職業や分野は何かと考えたときに、このようにAFSで経験したことを外交の世界で生かせればと思いました。10代の多感な時期は吸収するものも多く、自分自身への影響力も大きかったですね。