
◆危機管理の体制
自然災害や国情不安などの非常事態は、世界中どこでも起こりえます。派遣側と受入側とを異なる組織で運営するプログラムが多い中、AFSはニューヨークにある国際本部を中心に世界中にネットワークをもち、共通のガイドラインのもとで、参加生の生命にかかわるような緊急時に備えた危機管理体制を整えながらプログラムを運営していることが強みです。
非常事態が発生した際、受入国AFS事務所は現地の政府機関や報道機関など多方面から情報を集めて各国に発信します。この間、AFS留学生に対しては外出制限やホストファミリーと共に行動することなどの具体的指示が出されます。さらに国際本部の危機管理チームは、危機管理コンサルタントにアドバイスを仰ぎながら、国際機関・政府機関から情報を集め、非常時には速やかな判断・決定ができるよう状況を監視し、参加生の安全を最優先としたプログラム運営ができるよう努めています。
◆保険
全世界のAFS留学生を対象とする二次的旅行医療保険に加入し、受入国により1件につき50~150万米ドルを上限とする医療費を補償するほか、日本では留学中の万一の事態に備えるためにAFS日本協会が保険契約者となる海外旅行保険にも加入します(この上で、別途、任意保険にもご加入いただくことを強く勧めています)。
◆ボランティアとサポート
AFSの活動を支えるのは、世界5万人以上のボランティアです。異文化体験を通して視野を広げたAFS帰国生やその保護者、留学生を自らの家庭に受け入れ心を通わせたホストファミリー、その他多くの賛同者がプログラムを支えています。
各国のボランティアは、それぞれの知識と経験を生かしながら、彼らがよりよい異文化体験ができるよう無償でサポートしています。
◇オリエンテーション・オンライン学習プログラム
オリエンテーションは、異文化学習においては欠かすことのできないプログラムです。
参加生には、出発前、留学中、帰国後にそれぞれオリエンテーションを行います。プログラムの体制や健康管理指導、渡航準備のほか、異文化体験にあたっての心構えをつくっていきます。留学中は各国からその国に留学しているAFS留学生と一緒に参加します。帰国後は自らの体験を振り返り、仲間と体験を共有しながら、再適応や今後の目標について考えていきます。出発前までに全世界のAFS共通のオンライン異文化学習プログラム「Student Learning Journey 2.0」にも取り組んでいただきます。
留学生を送り出す保護者やホストファミリーにも、それぞれの時期にオリエンテーションが行われます。それぞれの支部で企画されるイベントに参加し、同じ境遇の保護者や家族同士で話をすることも、情報交換につながるでしょう。
◇一人ひとりへの担当者
AFSでは、それぞれの留学生、ホストファミリー、ホストスクールに担当者がつきます。
担当者の呼び方は各国さまざまで、日本の場合はリエゾンパーソン(LP)と呼んでいます。LPは留学生の受け入れ地域に暮らすボランティアスタッフで、留学生・ホストファミリー・ホストスクールの間のパイプ役としてそれぞれが直面する問題を解決する手助けをしています。
受け入れ地域に暮らす人が留学生活の支援をするのは、どのような暮らしや行動がもっとも安全で、地域の人に溶け込み、よい人間関係を築けるのかを一番よく理解しているからです。これが、AFSのサポートの大きな特徴となっています。
留学体験の間にわからないことや不安なことがあったら、積極的にLPに相談してみてください。