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今僕は留学のちょうど折り返し地点にいます。早いものでもう留学生活の半分が過ぎてしまいました。ちょうど一年前、僕は母に「留学がしたい」と言いました。そしてそれからの日々はまるで夢のようでした。
たくさんのAFSの仲間と知り合い、スペイン語という新たな言語に触れ、そして急ピッチで基礎文法を覚え込み、留学の目的も自分で決めて、これからの留学生活に友達たくさんできるかな?家族はどんな人たちかな?スペイン語は大丈夫かな?文化とか生活スタイルってどんな感じかな?など多くの不安と喜びを抱えて日本を出発しました。

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左:初日にホストファミリーと 右:友達の誕生日パーティをクラスメート全員で祝いました

しかし到着してからの毎日はまるで戦場のような日々でした。あんなに勉強したスペイン語がほとんど通じない。そして聞き取れない。アルゼンチンの人々は本当に楽しそうに会話をしているのに、自分だけ取り残されてとても悔しい思いをしたし、今もしています。
生来一度面倒くさいと思うと逃げに回りがちな僕は、スペイン語が話せないのが嫌で人から遠ざかって距離を置いてました。更に異文化の壁が僕の前に立ちはだかりました。生活スタイルから人の性格、習慣など異文化は多くの良い面もあるのですが、悪い面ばかりに目がいきがちで僕にとって異文化理解とはストレスと同義でした。

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学校で踊ったフォルクローレという民俗ダンス

しかし、スペイン語は3ヵ月を過ぎて少ししたあたりから相手の言っていること、言おうとしている事が分かり始めてきました。まだまだボキャブラリー不足ですがそれでも会話ができるようになっています。会話が出来るという当たり前なことが楽しくて嬉しかったです。
そんな時、気付いたことが一つあります。僕も相手の言うことを理解しようとし、相手も自分の言うことを理解しようとする、異文化理解とはこのことをいうのでは、と。
異文化理解を完全に成し遂げるというのは、その地で生まれた人でなければ不可能に近いことです。ですからここで大切だと思ったのは異文化を理解しようとする心だと思いました。理解は出来なくても理解しようと努力し、向かい合う、その大切さに気づかされた僕は、今では自分でもかなり積極的に人に話しかけたり、以前のように人と距離をとることもなくなりました。
アルゼンチンの人は優しいので言葉が分からなかったら単語の意味を説明してくれたり、ハグやジェスチャーなど体を使っての会話も楽しんでいます。

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AFS留学生と

もう残りが半年になり、先日は僕より半年前にきていた留学生たちが帰国しました。本当に優しく愉快な留学生たちで、年齢関係なく誰にでも優しくて、僕が困った時など相談したら親身になって話を聞いてくれる友達もいました。8月末には新しい留学生も来ます。アルゼンチンという国で僕がされて嬉しかったことを、今度は僕が彼等や日本に帰った時に日本の人々にしたりすることが、僕に出来ることです。
残り半分の留学生活をたくさん楽しんで多くの事を吸収してたくさんの友達を作って胸を張って日本に帰りたいと思います。

2013年7月 アルゼンチンより
AFS60期生/広島市高校生交換留学生奨学生 松浦留嘉

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