海辺の田舎町で、エメラルドグリーンの海を眺めながらゆっくりと時間ぎ過ぎていく。そんなタイでの生活が始まってから約3カ月が経ちます。
みなさんは、”マイペンライ”という言葉を聞いたことがありますか?タイ文字ではไม่เป็นไรと表記し、”問題ないよ、大丈夫”というような意味で、難しいことや小さなことは考えず気楽にいこう!というまさにタイ人を象徴する言葉です。
そんなタイ人の気質を改めて感じた機会があります。町のお祭りに学校代表で参加したときのことです。集合時間になってもホストファミリーの準備が整わず、やっと出発したかと思えば、これからごはんを食べてからそっちに向かうよ!いいよね?と言われました。いやいやよくないよ!!と突っ込みたくなったのを覚えています。
それからずっと遅刻を気にして冷や汗をかいていました。結局集合時間の1時間半遅れで到着し、先生に謝ろうと部屋を訪れると、なんと先生すら到着していなかったのです。数十人いるはずの生徒…なんとそこにいたのはたったの4人!思わず腰が抜けてしまいました。
お祭りが終わった後、ホストファミリーにこの話をしたら”タイではそんなに時間にシリアスにならなくていいのよ〜”と笑いながら教えてくれました。時間厳守が当たり前な日本人の感覚からしたら、驚きですよね。今では集合時間の1時間以上後に行くように気をつけています。
私がこの感覚に慣れるまでは、なんでタイの人は時間通りに来れないのだろう、遅れてもなんで謝らないのだろう、自分勝手だなどと悲観的に受け取り、苛々してしまうこともありました。でも今では、”心に余裕を持って過ごしていて素敵だな” と感じています。大らかな国民性が彼らの笑顔に繋がり、タイが微笑みの国と呼ばれる一つの理由となっているのでしょう。
日本はあまりにきっちりしすぎていて、今では少し窮屈に見えます。でも、小学校から分単位での行動を求められ、生徒がそれに応えられるということは日本人の素晴らしい点だな、とも改めて思うのです。
タイ人は細かいことは気にせず、大らかだからこそ他の人の面倒をよく見たり、他人のことを思いやれるのかもしれません。どちらが良いとか悪いとかではなく、ここに来てタイ人の気質を学んで、わたしももっと笑顔溢れる、もっと幸せな人生を送りたいと思うようになりました。
留学生活残りあと7カ月、これからどんな冒険が始まるのか、楽しみで仕方ありません。
2015年7月 タイより
AFS62期生/クン・サナン奨学生 吉田早織
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