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初めまして。私はAFS58期ウルグアイ派遣(注:AFSアルゼンチンのウルグアイ支部)の村上鈴華です。ウルグアイに来て4ヶ月半が経ち、こちらの生活にもようやく慣れてきました。語学は・・・まだまだ格闘中ですが、元気に過ごしています。

みなさんは、ウルグアイと聞いて何を思い浮かべますか?サッカー?それとも、名前は知っているが全く何も思い浮かばない・・・という感じでしょうか。確かに、私も日本にいるときは、ただワールドカップで聞いたことのある名前だなぁとしか思っていませんでした。インターネット等で調べてもなかなか具体的なイメージが浮かびません。さらに、あの有名旅行雑誌『地球の歩き方』でも扱われているページ数は少なく、日本人にとって馴染みのない国だということしか分かりませんでした。

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ウルグアイの国旗

そういう状態で私は、2月27日ウルグアイに到着しました。ウルグアイに来て最初のころは、スペイン領だったころの面影を残す時間のゆったりした、安全そうな国だなと思っていました。しかし、滞在地であるサルトを離れ、首都モンテビデオを訪れるとイメージは変わりました。田舎と大都市の違いかもしれませんが、サルトよりもホームレスは多く、治安が悪いと言われている地区に行くと小さな子供から「お金、お金」とせがまれることがありました。私は、ウルグアイのイメージを下げようとは思っていません。これが現実なのです。ただ、誤解はしないでください。なぜなら、このような光景はウルグアイだけではなく、他国でも見られることですし、危険があるのはどの国でも同じです。その点において、ウルグアイだから特別なことはありません。しかしながら、ウルグアイは比較的治安のいい国だそうです。

ウルグアイは、人口よりも牛の数が多い国です。つまり、お肉が大好きな国民です。主食は、肉といっても過言ではありません。ウルグアイ流バーベキュー(肉のみ)のアサードが大好きです。魚はあまり食べません。野菜も少なめです。イタリア系移民が多いのでパスタ・ピザが大好きです。そして、甘いものも好きです。ドゥルセデレチェというキャラメルクリームは必需品です。パンに塗ったり、プリンにかけたりします。激甘ですが、激うまです!!!太りやすい食文化ですが、とってもおいしいです!食べ物に困ったことはありません。困るといえば、食べすぎの毎日だけです。

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さて、私の留学生活についてです。学校は月曜から金曜日までで、昼食は家に帰って食べます。そして、私の場合は午後の授業は英語だけ。さらに、日本のようにきっちりとしたスケジュールではなく、コマごとで授業の長さが違ったり、間の休憩時間の長さが違ったりと不思議な構成です。また、教科書がありません。一応基準となる教科書はありますが、基本的には使いません。そのため、生徒は自発的に先生に質問するので授業はいつも活気付いています。日本の授業は、先生が黒板に書くこと・喋ることがメインですが、ここは違います。その上、黒板に書きたい!とアピールする子が殆どです。しかし、生徒たちがうるさすぎて授業がまとまらないこともあります。

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ウルグアイの学校と日本の学校を比べると、日本の学校の設備がいかにすばらしいか分かります。日本にいるときは、体育館があり広い運動場があり、情報の授業は一人一台のPCがあるのが普通でした。しかし、私のホストスクールには、体育館はありません。運動場もフットサルのコート2面分くらいだけです。PCは2人に1台ほどです。理科の実験をするような設備もありません。これが、日本とウルグアイの差です。

私のホストファミリーは、パパ、ママ、13歳と10歳の弟、そして7歳のダウン症の妹です。両親は共に仕事をしているので、料理を作るお手伝いさん、掃除をするお手伝いさんがいます。日本では、ありえない光景ですが、ここは南米ウルグアイ。中級家庭では、一般的なようです。そして、私がファミリーから感じたことは、家族の大切さです。日本とは違い、日ごろから親は子に対して愛情表現を欠かしません。子もそれを嫌がりません。それが普通なのです。私はこの文化が一番素敵だと思います。日本では一般的ではないかもしれませんが、私はぜひ、親になったときには見習おうと思っています。家族のまとまりが一層強くなると確信しています。

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サルトの田舎にて、弟と

私がウルグアイに来て少し経った頃、日本では大地震が起こりました。幸い広島が大きな影響を受けていないと知り安心しましたが、私は悲しくてたまりませんでした。なぜなら、ウルグアイにいる私は何もできないからです。ニュースを見て愕然とすることしかできません。ただただ祈ることしかできません。日本の裏側にいる自分は、まるで蚊帳の外。そんな自分自身がいやになりました。しかし、私にとってこの地震は日本がより好きになるきっかけにもなりました。
地震が起こり、私はホストファミリーと地震が起こったときの日本人のとった行動について話しました。スーパーマーケットでは、落ちた商品を拾い、棚に並べ、お金を払って物を買う。もし、ウルグアイでこのような状態になったらどうなるか?と聞くと、「人々は自分のことを第一に考える。だから、店から物を盗むのは当たり前になるのではないかな。」と。 多くの日本人は、みんなのことを思いやる気持ちを持っている。私は、そう信じています。いえ、それを確信しました。この優しさ、また、誠実さは、誇りに思うべきです。私は、そんな日本人を誇りに思います。そして、日本人でよかったです。

私は、この留学を通して語学もとより、異文化を知ることで日本の良さを再発見し、また、ウルグアイ人から愛国心も学びました。それは、ここに来ているから経験できていることです。この貴重な経験を支えてくださっているAFS関係者、ホストファミリー、そして両親に感謝します。帰国し、このかけがえのない経験を将来に生かせるように、今をしっかり生きていきます。

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追記:
今、南米は南米選手権で盛り上がっています。日本代表が参加するかどうかで揺れていた南米選手権。結局、日本は不参加となりましたが、ウルグアイでは日本代表が参加する仮定で作られていたブックレットのおかげで日本代表の知名度は明らかに高くなっています。日本の裏側でたくさんの人がサッカーを通じて日本のことを知ってくれることは、私自身とてもうれしいですし、サッカーというスポーツの国境を感じさせないパワーにも驚かされています。サッカーがあってよかったと、心から思います。優勝目指して頑張れ、ウルグアイ!!!!!

2011年7月18日 ウルグアイより
村上鈴華(AFSひろしま奨学生)

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