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『貧しい国』これは私がコスタリカに来るまえに抱いていたイメージです。これといった根拠は無いのに中米というと、どうしても日本より貧しいのではという考えがありました。私がこの国を選んだ理由の一つも、以前から関心のあった国際支援への足掛かりになるのではという思いの下でした。
しかし、私がこの国にきてもう5ヶ月経ちますが、その間一度もこの国を貧しいと感じたことはありませんでした。こちらに来ていろいろな違いを感じまたし、イメージしていたようにコスタリカの生活水準は高くはありませんでした。しかしそれが私の『貧しさ』に繋がることはありませんでした。むしろ5ヶ月が過ぎ、気付かないうちにコスタリカイメージは『笑顔の国』に変化していました。

最初の頃町を歩いていると『やぁ調子はどうだい?』『何か手伝うことはある?』と、全く知らない人から声をかけられるのにとても抵抗がありました。その都度適当に返事をするか、ひどい時には無視して逃げていました。好意であることは分かっていたのですが、日本であまりそのような経験をしたことの無い私にとっては、おせっかいとしか受け取れなかったのです。

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そうして最初の2ヶ月を過ごし、初めてのファミリーチェンジの後仲良くなった親戚の男の子と町に出ていました。するといつもの様に通りすがりのひとから声をかけられました。『やぁ調子はどうだい?』もちろん私は今までそうしてきた様に無視してすれ違いました。しかし男の子は笑顔でそれに答えて、しばらくそこで他愛のない話をして通りすぎました。そこで男の子に聞きました。『なんでコスタリカの人はいつも知らない人に話しかけるの?しかもあなたは何でそれに答えるの?』男の子は、『分からないけどそれが習慣なんだ。それに答える時ノリコも笑顔で答えるでしょ。もっと笑顔で幸せじゃない。』というようなことを言いました。まだスペイン語が少ししか話せない時の事だったので確かではないですが。しかしこれを聞いてからこの習慣がとても素敵なもののように感じるようになりました。
その後町を歩き人とすれ違うたびにこちらからこの習慣を実践してみる様にしました。するとみんな驚くほど素の笑顔を見せて『最高だよ!!』と答えてくれるのです。声をかけて来るのは本当に相手の調子が気になっているというよりも、相手とコミュニケーションを取り楽しさを分かち合いたいという思いの下だったのです。

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そのときなぜこの国を貧しいと感じなかったのか分かりました。ここに住む人々の相手を気付かう優しさや笑顔の豊かさが、この国をより豊かに魅力的にしているのです。またそれと同時に、ただ金銭的な面だけでその国の貧富を区別してきた自分の勝手さにも気付かされました。
私の留学生活ももう終盤にさしかかりましたが、これからもこの習慣を実践し、もっとコスタリカの人の豊かさを感じていこうと思います。

AFS57期コスタリカ派遣生 高原法子(2011年1月帰国)

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